7月13日の控訴審判決について

2023年7月13日(木)の判決にて、名古屋高裁金沢支部は、被告の男性に対して懲役7年の実刑判決を言い渡しました。

「性的行為に同意がなかったと認定できない」として無罪判決を下した富山地裁の判断に対して名古屋高裁金沢支部は、「性的行為に同意していた可能性があるとの先入観を持って、他の証拠の検討をおろそかにした」と断じました。

被害者が恐怖や困惑を感じる中で助けを求めるのは困難だったことが認められました。

名古屋高裁金沢支部は、一審判決の不合理を詳細に指摘した上で、性暴力被害者特有の心理を適切に汲みとった判断を示しました。

言い渡されたのは検察の求刑通りの量刑であり、控訴審は全面勝訴となりました。

今回の判決について、各メディアによって報じられています。
(各メディアのアーカイブが終了した際にはリンクを削除します)

当会では引き続き、「性暴力のない社会」をめざして啓発活動を行ってまいります。
また、今後の状況を注視し、判決が確定するまで訴えを継続してまいります。

以下、当会代表からのメッセージです。

署名ご協力のお礼とご報告

2022年5月13日、富山地裁で強制性交等致傷に問われた男性に対し無罪判決が出されました。判決理由は被害者心理と言動の知見を無視したものであり、この判決を見過ごすことはできず、私たちは市民団体を立ち上げ、当該無罪判決に抗議するため、署名活動を行いました。この1年間で全国の方々より署名を頂き、2023年7月10日、総数7758筆の署名を、名古屋高等裁判所金沢支部に提出しました。

さて、署名提出後の7月13日、名古屋高等裁判所金沢支部は、一審の富山地裁判決を破棄とし、一審で検察が求刑していた通り懲役7年の逆転有罪を言い渡しました。裁判長は「一審は性被害者の心理に対する理解を欠いており、明らかに不合理だ」と断じました。この判決は被害者の実状を理解したものであり、ご賛同頂いた方々の思いが届いたように思われました。この日、刑法及び刑事訴訟法の一部が改正され「不同意性交等罪」「不同意わいせつ罪」の施行日でもありました。

本件についての署名活動は終了しますが、当団体は今後も「性暴力のない社会」をめざし啓発活動を続けていきます。署名にご協力を頂きました皆さまには心より御礼申し上げます。

「性暴力のない社会」をめざす会
代表 小林 涼子

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