最高裁判所は4月15日付で、被告側の異議申し立てを棄却しました。これにより、名古屋高裁金沢支部による懲役7年の実刑判決が確定しました。
2022年5月13日、富山地方裁判所は、性的暴行を行った加害者に対して無罪を言い渡しました。裁判所は、性的同意がなかったことを認定できない理由として、被害者が大声で助けを求めなかったこと、逃げたりできたのにそうしなかったことなどを挙げました。
裁判所による不当な判決に抗議するため、支援団体や医師、弁護士などの有志が集まり、当会が発足しました。第一審の無罪判決は、性犯罪に直面した被害者の心理と言動の知見を無視した判決です。控訴審では性暴力の正しい理解に基づく審理がなされるよう、不当判決に抗議する署名活動を開始しました。
2022年12月12日には、名古屋高裁金沢支部へ一回目の署名提出を行いました。提出した署名は、5801筆にのぼりました。強かん神話に基づく先入観を排し、性暴力被害者特有の心理を踏まえた正当な判決を求めました。
2022年12月18日には、無罪判決の理不尽さを訴えるべく、シンポジウム「性暴力のない社会にするために」を開催しました。性暴力被害の当事者を支援する各専門家をシンポジストに迎え、それぞれの立場から意見を交わしていただきました。また、全国各地からご賛同のメッセージをいただきました。
2023年7月13日、名古屋高裁金沢支部は、一審の無罪判決を破棄し、懲役7年の実刑判決を言い渡しました。私たちの訴えが全面的に認められ、被害者の心理を汲んだ適切な判決が下されました。この判決は、数多くのメディアによって報じられました。
判決が覆ったこの日は、同意のない性的行為を処罰の対象とする「不同意性交等罪」「不同意わいせつ罪」の施行日でもありました。私たちの声が、社会を変えられる。そんな実感を感じずにはいられませんでした。
当会の発足から判決の確定まで、たくさんのご支援をいただきました。深く感謝申し上げます。また、声を上げられた被害女性の勇気に、心から敬意を表します。
これからも「性暴力のない社会」をめざして活動を続けてまいります。
何卒よろしくお願いいたします。